2007年2月20日(火)「しんぶん赤旗」
残業代ゼロ・長時間労働 対象拡大の恐れ
法案の断念迫る
高橋議員
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日本共産党の高橋千鶴子議員は十九日の衆院予算委員会で、残業代ゼロ、長時間労働を野放しにする「ホワイトカラー・エグゼンプション」のもつ問題を明らかにし、法案の完全撤回を迫りました。
同制度の導入法案は、安倍晋三首相が、今国会での提出見送りを表明していますが、柳沢伯夫厚生労働相は、「国民の理解をえながらホワイトカラー労働時間の改革をすすめたい」と、速やかに法制化したいとする姿勢を示しました。
高橋氏は、厚労省が同制度の国民への理解をはかるためにつくった想定問答集をとりあげ、対象者が管理監督者の一歩手前と説明しているが、それぞれどれぐらいいるのか質問。管理監督者は六百万人程度と答えたものの、一歩手前との区別があいまいであることが明らかになりました。
高橋氏は、現在でも経営者なみとして残業代が支払われない「管理監督者」のうち、課長同等クラスの人が84%を占めるという調査結果を示し、「すでに管理監督者としてただ働きが横行している。区別があいまいでは対象がどんどん拡大していく危険がある」と批判しました。
また、同制度の対象者は、「労働時間の管理」から除外される一方、百四日の休日を罰則つきで義務付けるのは矛盾だと指摘。東京労働局の監督指導結果で、過労死などで労災が認定された四十八人中、管理監督者が十一人いることを示し、「エグゼンプションで、過労死が減るのか」と迫りました。
柳沢厚労相は、エグゼンプション制度にたいして、「労働強化、過労の懸念」があることを認めました。