2007年2月17日(土)「しんぶん赤旗」
低所得層の4割
具合悪くても受診せず
「医療費払えない不安」は84%
民間調査
過去一年以内に具合の悪いところがあるのに医療機関に行かなかった人の割合は低所得層で四割にのぼる――民間研究機関「日本医療政策機構」(代表理事・黒川清・政策研究大学院大学教授)の行った「日本の医療に関する二〇〇七年世論調査」でわかりました。今年一月に全国の四千人を対象にアンケート調査したもので、千三百十八人が回答しました。
具合が悪くても医療機関に行かなかった人の割合は、高所得層(世帯年収八百万円以上など、全世帯の上位二割)で16%、中間層で25%でしたが、低所得層(世帯年収三百万円未満など、下位二割)では40%と大幅に高くなりました(グラフ1)。同機構は「経済力の弱い人には、受診抑制が生じている」としています。
経済力によって、命と健康にも大きな格差が生まれていることが浮き彫りになりました。
各国と比較すると、受診抑制の割合は日本の平均26%に対し、アメリカ24%、オーストラリア11%、イギリス3%となっており、同機構は「受診抑制は国際的に見てもやや高い水準にある」と分析しています。
病気になったときに医療費を払えない不安を持つ人は、低所得層で84%にのぼりました。高所得層は36%、中間層は74%でした。(グラフ2)
また、現在の医療制度が貧富の差に配慮していないとする不満を持つ人の割合は、高所得層で41%、中間層では67%、低所得層では72%となりました。
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