2007年2月16日(金)「しんぶん赤旗」
にわかに石原知事批判
「ではなぜ都提案すべて賛成か」 知事応酬
都議会民主党
東京都知事選(三月二十二日告示、四月八日投票)を前に、民主党はにわかに石原知事批判を強めています。十四日の都議会本会議では田中良都議が、石原慎太郎知事の海外出張や知事交際費、四男の都事業への重用などをあげ、「石原知事の都政運営がいかに都政を傷つけているのかをひとつひとつ明らかにし、都知事をかえることの重要性を訴える」などと力を込めました。そして石原知事を「公私の境目を見失い、周囲にたいこ持ちを置く裸の王様」とまで酷評したのです。
これにたいして石原知事からは「選挙も近いせいか、たいそう派手な質問演説だ。(田中都議の)都政に対する評価は三十点だそうだが、ならばいままでなぜ、都の提案に民主党はすべて賛成してこられたのでしょうか」と皮肉まじりの答弁が返ってきました。
たしかに同党は自民、公明両党とともに、二〇〇五年の都議選後、予算をはじめ知事提案の四百八十九件すべてに賛成するまぎれもない与党です。前原前代表も「(民主党は)100%賛成でオール与党」と認めるほどです。
しかも民主党は、石原知事と一体で悪政を推進してきました。たとえば「老人福祉手当という現金給付制度は、寝たきりを助長する」(〇三年三月)といって福祉を切り捨て、「(『君が代』で)多くの生徒が起立しなかった。これにかかわった教員は処分すべき」(〇四年三月)と、「日の丸・君が代」を強制する都政を後押ししてきたのです。
田中氏は、石原知事の豪華海外出張を批判しましたが、民主党は〇一年から四年間、毎年海外視察を繰り返し、昨年は一人百九十一万円かけて、南米最大の観光地のひとつ、イグアスの滝を視察しています。
民主党がいくら野党ポーズをとっても、石原与党としての数々の“実績”を消すことはできません。