2007年2月16日(金)「しんぶん赤旗」
労働時間規制の除外
先送りでなく撤回を
小池議員追及に 首相“今後も検討”
|
日本共産党の小池晃議員は十五日の参院厚生労働委員会で安倍晋三首相にたいする質問にたち、ホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間規制の除外制度)は長時間労働をさらにひどくするものであり、撤回する以外にないと追及しました。
安倍首相は「(今国会への)法案提出を見送る」と答弁で初めて表明しました。しかし、「すべてのホワイトカラーの残業代がなくなるという誤解が広がった」などとして、「今後とも検討していく」と引き続き導入をねらう考えをのべました。
小池氏は、「国民は誤解していない。本質を見抜いて、怒りが広がったのだ」と指摘。“ホワイトカラー・エグゼンプションを導入すれば労働時間が減る”という政府や財界の言い分について、「導入しても仕事量が減るわけではない。むしろ人員削減でノルマは増えている。労働時間の歯止めがなくなれば、成果主義賃金が徹底され、死ぬほど働かざるをえないのが実態だ」と批判し、「先送りではなく撤回すべきだ」とのべました。
また、今国会に出される「残業代割増率」の引き上げ案について、“過労死ライン”の月八十時間を超えないと割り増しにならず、それまでは努力義務にすぎない不十分なものだと指摘。大臣告示という目安にすぎない残業の上限時間(年間三百六十時間)を法定化し、割増賃金を支払うより新しく労働者を雇ったほうがよい水準まで割増率を引き上げるべきだと強調しました。