2007年2月15日(木)「しんぶん赤旗」
石原知事四男の肩書
組織ぐるみで詐称
大山都議が告発
|
石原慎太郎東京都知事の四男、延啓氏の肩書が、都の若手芸術家育成事業・トーキョーワンダーサイト(TWS)の組織ぐるみで詐称されていた疑惑が十四日の都議会本会議で明らかになりました。日本共産党の大山とも子都議が代表質問で告発しました。
延啓氏は、二〇〇二年三月一日から三十一日まで「アドバイザリーボード委員」、〇三年六月十日から〇四年三月三十一日まで「キュレーティングアーティスト」としてTWS事業にかかわりました。
ところが、その後、何の肩書もなかったはずの〇六年六月九日に、TWSは「トーキョーワンダーサイト アドバイザリーボード、キュレーティングアーティスト」の肩書で延啓氏の名刺を発注しました。発注の決定権者は、当時TWS副館長の家村佳代子氏です。
大山氏は「TWSによる組織ぐるみの肩書詐称といわざるをえない」と追及しました。
渡辺日佐夫生活文化局長は「名刺は館長の判断で印刷したものと聞いている」と答え、事実を認めました。
大山氏はまた、TWSが、東京都の「会議の開催基準」で全廃されている、飲食を伴う協議や打ち合わせを公費で繰り返している実態を明らかにしました。
それによると、TWSの行事のたびに交流会やレセプションが行われ、コース料理やワイン、ビールなどに公費が支出されていました。また、行事とは関係ない事務局用の「消耗品費」として、弁当代などを公費で支出。なかには「今村(有策)館長お食事代」「家村(佳代子・副館長)様お食事代」「ドラ焼き二百円」などの記載も。総額は五年間で約三百二十万円に及びます。
大山氏は「石原知事が四男を重用し、TWS事業を事実上『聖域化』してきたことが、常軌を逸した公私混同の公費による飲食や問題を生んでいる」と批判しました。