2007年2月14日(水)「しんぶん赤旗」

イラク反戦の女性グループ

グラミー賞 5冠に輝く


 【ワシントン=鎌塚由美】イラク開戦直前にブッシュ米大統領を批判する発言を行い、カントリー音楽業界から放送禁止などのバッシングを受けた女性グループ「ディクシー・チックス」が十一日、米音楽界最高の栄誉とされるグラミー賞で最多の五部門を受賞しました。

 翌日の米主要各紙は一面に写真を掲載し、バッシング事件を乗り越えて「最優秀レコード」「最優秀アルバム」「最優秀楽曲」の主要三部門に輝いた同グループの快挙を伝えました。ノミネートされた五部門すべての受賞で、主要三部門の獲得は十四年前のエリック・クラプトン以来です。

 「ディクシー・チックス」は四年前のイラク開戦直前、ロンドン公演で、ボーカル担当のナタリー・メインズさんが「みんな、わかっていると思うけど、私たちはテキサス出身のアメリカ大統領を恥ずかしく思っているわ」と発言。これに米国の保守派は猛反発し、同グループを「非国民」と呼び、カントリー音楽のラジオ局はグループの曲を放送禁止にしました。

 カントリー音楽業界からの締め出しや脅迫などの嫌がらせを乗り越えた同グループは〇六年、事件以来初となるアルバム「テイキング・ザ・ロング・ウェイ」を発表。そのなかで、「言われるままにいい子にはなれない。撤回する気にはなれない」と事件を振り返る曲「ノット・レディ・トゥ・メイク・ナイス」を歌い、復活を遂げました。


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