2007年2月14日(水)「しんぶん赤旗」
ベネズエラ
通信企業を再国営化
株購入で米企業と合意
【メキシコ市=松島良尚】ベネズエラのチャコン通信相は十二日、米通信企業ベライゾンとの間で、同社が保有するベネズエラの通信会社CANTVの株28・5%を購入することで合意したと発表しました。これによってベネズエラ政府はすでに保有している分とあわせCANTV株の35%を持つ筆頭株主になります。チャベス大統領が先月発表した戦略部門の再国営化の一環です。
一九九一年に民営化されたCANTVは電話やインターネット事業でベネズエラ最大の通信企業です。ベネズエラ政府の株購入価格はニューヨーク市場で取引される米国預託株式(ADS)で一株十七・八五ドル、総額約五億七千二百万ドル(六百八十六億円)。ロイター通信によると、相場よりかなり低い価格です。
チャコン通信相は記者会見で、CANTVは今後、インターネットへのアクセスの拡大、国土のすみずみにわたるサービスの提供などを推進すると述べました。
記者会見にはベライゾン社のディールクセン副責任者も同席し、「きわめて満足している」と述べました。