2007年2月12日(月)「しんぶん赤旗」
施行60年 憲法守る年に
「建国記念の日」反対 各地で集会
「建国記念の日」の十一日、この日を祝日とすることに反対し、憲法問題や、改悪教育基本法の具体化とのたたかいなどを考える集会が、全国各地で開かれました。
東京では、歴史研究者の団体や東京都教職員組合などからなる「『建国記念の日』に反対し思想・信教の自由を守る連絡会」主催の集会に約二百五十人が参加しました。歴史科学協議会の池享氏の開会あいさつのあと、大日方純夫早稲田大学教授が安倍政権の「歴史認識」などについて、ジャーナリストの松尾高志氏が「世界の中の日米同盟」について、それぞれ講演しました。
大日方氏は、安倍政権がなぜ生まれてきたかについて詳論し、その支持基盤が、日本の侵略戦争への「反省」を拒否するタカ派の新保守主義と、「構造改革」を推進する新自由主義の二つのグループからなり、アジア外交などで両者の矛盾が噴き出す危険をはらんでいることを指摘。今年は「日中開戦七十周年」「日本国憲法施行六十周年」にあたり、夏の参院選などを前に安倍内閣の歴史認識が問われてくるとともに、国民の中でも「侵略戦争の被害とともに加害の面にどう向き合うのか」など論議を深めることが求められると述べました。
侵略戦争を美化する歴史教科書の採択にたいし、その問題点を明らかにする副読本づくりを進めてきた杉並区など、各分野からとりくみが報告されました。集会は「教育の国家統制を強めようとする動きや憲法改悪に道を開く改憲手続法案などを許さない運動をさらに強めましょう」と訴えるアピールを採択しました。