2007年2月10日(土)「しんぶん赤旗」
函館市議会の政調費不正
民主・公明など115万円分
札幌高裁 市に返還請求命じる
道南市民オンブズマンの大河内憲司代表らが、函館市長を相手取り、使途基準に違反して使われた政務調査費を返還請求するよう求めていた住民訴訟の控訴審判決が九日、札幌高裁でありました。末永進裁判長は、大河内氏らの訴えをほぼ全面的に認め、函館市長に対して、民主・市民ネット、公明党、市政クラブなど市議会四会派に総額百十五万九千百七十円の返還請求を命じました。
判決は、函館市が政務調査費の使途を「会派が行う」ものと限定していることを指摘。会派としての意思統一がなされず、市政との関連性を欠くとして、札幌ドーム(札幌)や目黒寄生虫館(東京)視察の調査旅費、音楽CD購入費などを違法な支出と断定しました。
判決を聞いた大河内代表は「提訴から三年半、政務調査費が本当に市政のために使われているのかを問い続けてきた。最近報道される政務調査費の使い方は非常に情けない。この判決をきっかけに効果的な使い方を考えてほしい」と語りました。
同席した北海道市民オンブズマン連絡会議の橋本勝三郎氏も「道議会や札幌市議会の政務調査費の使途公開へはずみがつく」と語りました。
この裁判は、二〇〇一年に函館市が函館市議会に支給した政務調査費の一部に違法な支出があるとして、大河内代表らが市長に十八件、約百二十万円を返還請求するよう求めたもの。〇五年の函館地裁判決では三十二万円余について違法支出と認定していました。