2007年2月10日(土)「しんぶん赤旗」
おはようニュース問答
医師不足問題 放っておけないわね
陽子 産婦人科のある病院がどんどんなくなって、この十年で三割も減ったんですって。日本共産党が七日に出した医師不足問題の提案に書いてあったわ。
夏江 最近、産婦人科や小児科医の医師不足が原因の死亡事故が続いていたけど、もう放っておけないわね。
陽子 去年、奈良県で意識不明に陥った妊婦さんが、十九もの病院に受け入れを断られた末に、亡くなったわ。奈良県内では67%の市町村でお産ができる病院がないそうよ。
夏江 小児科医の不足も深刻よ。実は日本の幼児の死亡率は先進国平均より三割高くて最悪なの。厚生労働省の担当者も小児救急体制が不十分なことをその原因にあげていた。
陽子 小児科のある病院はこの十年で二割減ったそうよ。内科や外科も「診療休止」が相次いで、残った病院に患者が殺到するの。今度はその病院の医師が過労でやめる、ドミノ現象よ。
夏江 どうしてそんなに医師が足りないの。
政府が数を抑制
陽子 政府が「医学部定員の削減」を閣議決定して、医者の数を抑えてきたのよ。「医師が増えれば医療費が膨張する」と言って。日本の臨床医数は、人口十万人あたり二百人で、先進三十カ国中二十七位。ドイツは三百四十人、イタリアは四百二十人なのよ。
夏江 医療費を抑えるために医師不足をつくったなんてひどい話。おかげで、どこもかしこも病院の勤務医は超多忙なのね。
陽子 調査では「多忙で思考力が散漫になり医療事故を起こしそうになった」という外科医が四割、「手術のかけもちでミスが心配」という麻酔科医が六割もいるのよ。
共産党の提案は
夏江 患者にとっても重大問題ね。共産党はどうしようと言っているの?
陽子 緊急の対策として公立病院の産科・小児科を復活させること、医師の養成数をもっと増やすことを求めているわ。さらにおおもとにある政府・与党の社会保障切り捨て、医療費削減のやり方をあらためることを訴えているわ。
夏江 政府に医療の安全をここまで脅かした責任をとってもらわなくちゃいけないわね。
〔2007・2・10(土)〕