2007年2月10日(土)「しんぶん赤旗」
病気でも病院いけない
仁比氏 国保証取り上げ実態調査
福岡市
国民健康保険料が払えないことを理由に保険証を取り上げられる世帯が増えています。日本共産党の仁比聡平参院議員らは九日、その実態調査で福岡市を訪れ、関係者と懇談しました。
福岡市は、保険証の取り上げ件数(資格証明書発行数)が一万八千件と、全国の政令都市のなかで二番目に多く、突出しています。
医療関係者や民主商工会の役員らとの懇談では、「保険証を持たない患者の救急搬送が増えている」「おう吐や痛みなどの自覚症状があっても保険証がないため来院しない」などが指摘され、「定率減税の縮減や算定方法の変更による保険料の大幅値上げが、滞納世帯の増加に拍車をかけた」などの訴えも相次ぎました。
一方、市の保健福祉局との懇談では、滞納者が増えつづける同市の国保財政の実態などを聴取。行政担当者は「資格書の発行でも保険料の収納率は上がらなかった」「今後は資格書の発行を抑制し、滞納者の実態をよく調査するよう体制を充実したい」と表明。また「市の国保財政は非常に厳しく、一般会計からの繰入額も大きい」と、制度維持に対する苦悩も出されました。
懇談後、仁比議員は「国が国庫負担を削減したことで、国民皆保険という公的医療制度の土台が壊されようとしている。さらに実態を調べ、改善の道筋をつけるために全力をつくしたい」と強調しました。
調査には、仁比議員のほか、田中みゆき参院福岡選挙区候補、つの豊臣県議候補、比江嶋俊和市議、わたぬき英彦、熊谷あつ子両市議候補らが参加しました。