2007年2月10日(土)「しんぶん赤旗」
「日の丸・君が代」
処分撤回 173人提訴
都立校教職員 「自由守るたたかい」
「日の丸・君が代」強制に従わなかったことを理由に処分された東京都立学校の教職員百七十三人が九日、東京都に対して処分の取り消しと、精神的損害について一人当たり五十五万円の国家賠償を求めて、東京地裁に提訴しました。「日の丸・君が代」処分の取り消し訴訟としては、最大規模のものです。
東京都教育委員会は二〇〇三年、卒業式などで教職員に「日の丸」に向かって起立し、「君が代」のピアノ伴奏や斉唱を強制する「10・23通達」を出しました。この通達に基づいて各校長が出した「職務命令」に違反したとして、都教委は〇三年度の周年行事、〇四年春の卒業式・入学式で、のべ二百二十九人の教職員に戒告や減給など、不当な懲戒処分を行いました。
そのうち百八十五人が、東京都人事委員会に対し、処分の取り消しを求める不服審査を請求。都人事委が被処分者が求めた横山洋吉元教育長(現副知事)の証人採用を拒否し、一方的に審理打ち切りを通告したため、被処分者側は人事委の裁決を待たず、今回の提訴に踏み切りました。
原告団の星野直之共同代表は提訴後の記者会見で、「石原都知事にいじめられてきた六万人の教職員を代表して、絶対に勝利する」と強調。弁護団の尾山宏団長は「予防訴訟とならんで、生徒・教職員だけでなく、国民の精神的自由を守る先進的なたたかい」と裁判の意義を述べました。
昨年九月二十一日に東京地裁が出した「予防訴訟」判決は、「10・23通達」とそれに基づく「職務命令」を、憲法違反と明確に判断しています。