2007年2月9日(金)「しんぶん赤旗」
イラク従軍拒否 米軍法会議
審理無効宣言で終了
大学院教授 「ワタダ中尉の勝利」
【ワシントン=山崎伸治】現役将校として初めてイラク従軍拒否を表明し、訴追されたエーレン・ワタダ米陸軍中尉(28)に対する軍法会議は七日、同氏が先に提出した文書の内容の解釈をめぐり、原告の陸軍と被告の主張が食い違ったため、ヘッド判事が審理無効を宣言して、終了しました。
問題の文書は先月、軍法会議を前に、原告と被告が争点をめぐる事実について合意し、ワタダ氏も署名して提出したもの。そのなかで同氏は、昨年六月にイラクへの派兵を拒否したことを認めていました。
原告は、これが「部隊の移動への不参加」という罪状について、ワタダ氏が有罪を認めたものだと主張。これに対し、同氏を弁護するサイツ弁護士は、イラク戦争が違法なものと確信して派兵を拒否したという事実を認めただけで、罪は認めていないと反論しました。
ヘッド判事は文書の内容を確認するため、ワタダ氏への質問を申し入れましたが、サイツ氏が拒否。そのため判事は内容の正確さが判断できないとして文書を破棄し、審理無効を宣言しました。
なお同判事は新たな軍法会議を三月十二日に開くとしています。
この決定について、米国の進歩的法律家団体「ナショナル・ロイヤーズ・ギルド」元議長でウィリアム・ミッチェル法科大学院のピーター・アーリンダー教授は、「手続き上の問題ではあるが、およそ米政府(陸軍)が訴えた裁判で、被告を有罪にできなかったという点では、ワタダ氏の勝利と言える」と評価しています。