2007年2月8日(木)「しんぶん赤旗」
イラク情勢
外国軍駐留で改善せず
仏首相、米戦略を批判
【パリ=浅田信幸】フランスのドビルパン首相は七日付英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、イラク情勢は外国軍が駐留を続ける限り改善されないと指摘しました。インタビュー全文は同紙のインターネット・ホームページに掲載されました。
ドビルパン首相は、外国軍の存在を「正当でないとする感情」が「危機の根源」にあると指摘。危機打開の「出発点は外国軍撤退の展望に向けた明確な日程」にあると強調し、「一年後に米軍あるいは英軍がイラクに存在しないと言わないなら、イラクではいっそうの死者と危機が生まれる」と警告しました。
さらに「イラクが民主的で平和になれば外国軍は撤退する、などと言う考えはばかげている。そんなことは決して起こらない」と述べ、名指しは避けながらブッシュ米大統領の対イラク戦略を痛烈に批判しました。
イラクの安定化のためには、外国軍撤退を前提にイラク国内では「国民的和解」を進めるとともに、周辺国と国際レベルでは「イラク情勢の安定に関心を持つすべての国」を動員すべきだとして、イランも関与させる必要を示唆しています。