2007年2月8日(木)「しんぶん赤旗」
対テロ戦争に勝者なし
マレーシア前首相 米の軍隊増派を批判
【ハノイ=鈴木勝比古】マレーシアのマハティール前首相は五日、「戦争を違法化しなければ、世界は強国と弱小国の間の際限のない戦争に耐えなければならないだろう」と警告しました。クアラルンプールからの報道が伝えました。
マハティール氏はクアラルンプールのプトラ世界貿易センターで五日に開幕した「戦争犯罪会議・展示会」で基調演説をし、「戦争をなくし平和にしなければ、戦争が際限なく拡大し、常に予期し備えることのできない殺りくと破壊をもたらすだろう」と語りました。
ペルダナ・グローバル平和組織が同会議を主催しています。この組織は、二〇〇五年十二月に開催されたペルダナ・グローバル平和フォーラムが発展したもの。マハティール氏が議長を務めています。
マハティール氏は、「米英のような強国が対テロ戦争を呼びかけているが、このたたかいに勝利はありえない。テロリストは顔を隠し、個人あるいは独立の小グループで行動するからだ」と指摘。「中東での現在の戦争は、そこの人々の良識が勝利しなければ終わることがないだろう。それが勝利するのは、諸強国が紛争の根源を認め、それを除去することに同意したときのみだ」と強調しました。
マハティール氏は、「間違った時は間違いを認めるべきだ。それを否定することは助けにならない。さらに軍隊を増派すれば、より多くの標的をつくりだすだけだ」と述べ、ブッシュ米政権を批判しました。