2007年2月5日(月)「しんぶん赤旗」
米軍事費76兆円
08年度予算 朝鮮戦争時に匹敵
米紙報道
イラク増派 最大4万8000人か
【ワシントン=山崎伸治】三日付米各紙の報道によれば、ブッシュ政権は五日に議会に提出する二〇〇八会計年度(〇七年十月―〇八年九月)の予算教書で、総額六千二百六十億ドル(七十五兆七千億円)という巨額の軍事費を要求します。
また、これまで二万一千五百人とされているイラクへの増派部隊の数が、米議会予算局が公表したイラク米軍増派費用の試算では最大で四万八千人となる可能性があることが分かりました。
ニューヨーク・タイムズによると、六千二百六十億ドルの軍事費は、朝鮮戦争中の一九五二年の六千四百五十億ドル(現在のドルに換算)に匹敵する記録的な額となります。
このうち、〇八会計年度の国防総省予算は四千八百十億ドル(五十八兆円)で、〇七会計年度と比べ10%も増額されています。
またブッシュ政権は、イラク、アフガニスタンでの追加戦費などのために、〇七会計年度追加予算として一千億ドル(十二兆円)を要求。同年度予算では、すでに七百億ドル(八兆五千億円)が追加予算として承認されており、同年度の追加予算は合計一千七百億ドルとなります。
それに加えて〇八会計年度の追加予算も予定。その額は千四百五十億ドル(十七兆五千億円)と見積もられています。〇八年度の軍事費は、これらの総計です。
一方、議会予算局は一日公表したイラク米軍増派計画に関する試算で、一年間の増派で二百七十億ドル(三兆三千億円)もの費用がかかることを明らかにしました。
国防総省が計画しているとされる二万一千五百人の増派数は戦闘部隊の数字であり、それに伴って動員される支援部隊の規模は明らかにしていません。予算局によると、国防総省はこれまで「四千人の戦闘部隊に対し五千五百人の支援部隊」の割合で派兵しており、「二万人の戦闘部隊には二万八千人の支援部隊が必要」と試算しています。
その上で、増派兵力を最低三万五千人から最大四万八千人と想定し、それぞれ四カ月間、一年間派兵した場合の経費を算出。その結果、三万五千人の増派の場合、九十億ドル(四カ月)から二百億ドル(一年間)、四万八千人の増派の場合、百三十億ドル(四カ月)から二百七十億ドル(一年間)かかるとしています。
ホワイトハウスは増派計画発表の際、追加経費を五十六億ドル程度と説明しており、予算局の試算とはかなりの開きがあります。
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