2007年2月3日(土)「しんぶん赤旗」
イラク派遣米陸軍兵士
06年 自殺率最高
米紙が報道
【ワシントン=山崎伸治】イラク派遣の米陸軍兵士の自殺率が、二〇〇六年はこれまでで最高になる見込みであることがわかりました。イラク派遣米兵の心の健康問題を取り上げてきた米コネティカット州の日刊紙ハートフォード・クーラントが一月三十一日付で報じています。
それによると、国防総省が〇六年中に自殺と認定した兵士はこれまでのところ二十二人。これは〇五年と同数ですが、派兵数は〇五年が若干〇六年を上回っているため、自殺率は〇六年が上回ることになります。〇五年の派遣兵士の自殺率は十万人あたり十九・九人。同年の陸軍全体の自殺率は十三人でした。
しかも〇六年は十七人の死亡原因が確定していないため、今後、自殺者が増える見込みがあります。そうなれば、死亡率はさらに高くなります。
自殺率は〇四年に下がったあと上昇しています。陸軍は昨年十二月、精神衛生諮問チームの三回目の調査結果を公表。そのなかで「繰り返し派兵された兵士は、初めての派兵の兵士よりも急性ストレスが起こりやすい」、「戦闘以外でストレスの最も大きな原因となっているのは、派兵の長さと家族との離別」と指摘しています。
陸軍は自殺者に関する詳しい情報を公表していませんが、イラク駐留の長期化が兵士の心をむしばみ、自殺者の増加につながっていることが推測されます。