2007年2月2日(金)「しんぶん赤旗」
小中の授業料無料へ
ニカラグア大統領が強調
「すべての子どもを学校に」
【メキシコ市=松島良尚】「今後、授業料の徴収は禁止になる。制服は義務ではない」―中米ニカラグアで今年の新学期が始まった二十九日、オルテガ大統領が首都近郊で行われた式典で強調しました。すべての子どもたちが学校に通えるようにするためです。
デカスティジャ教育相によれば、新入生を含め、この日までに学籍が登録されたのは、一部地域を除く公立の小・中学校で百三十一万人。しかし八十万人が登録からもれているといいます。貧困のため、途中で登校できなくなった児童らです。
これらの児童の就学は、国際通貨基金(IMF)の構造調整政策によっていっそう困難になっていました。歴代政権が「教育自治」の名で予算を切り詰めた結果、電気代にも困窮する公立学校が授業料などの支払いを父母に求め、それが慣例になっていたからです。
オルテガ大統領は、憲法が定める義務教育の無償を改めて実施すると表明。「制服などに金を使うより、子どもたちが朝食をとって登校できるよう食料に費やした方がいい」と述べました。
デカスティジャ教育相は、「われわれは新自由主義の市場から公立学校を救い出そうとしている」と語り、八十万人のうちの半分を学校に復帰させることを今年の目標にあげました。学籍登録の期日は二月十五日まで延長されました。
約九千四百の公立学校の半分は、電気や水道の供給を含め半ば荒廃しているといわれます。教室不足も深刻です。政府は、教会やガレージなど、あらゆる緊急手段を講じて対処する予定です。