2007年2月2日(金)「しんぶん赤旗」
インターネットのいま(7)
大きな影響力をもつ
“口コミ”情報
「ネット上の口コミに影響を受けたことがありますか」という問いに、「影響をうけた」とこたえる人が七割を超える(『宣伝会議』06年5月1日号)――インターネットでは、企業や著名人が発信する情報だけではなく、一人ひとりが発する“口コミ”情報が大きくモノをいいます。
昨年株式上場が話題になったミクシィなどの「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」に参加する女性の75%が、“コミュニケーションを目的”にしています(「SNS定期リサーチ」06年12月15日)。八十万人の女性が参加するあるホームページでは、“病院の良し悪し”“子育ての悩みや幼稚園選び”“仕事のこと”など、千四百万をこえる情報がやりとりされています。
ネット上の口コミは、政治や選挙にも大きく影響をしはじめています。二〇〇五年総選挙時の世論調査で、「政党のホームページ」と「個人のブログ」のどちらをより多く見るかという問いに、52・4%が「個人のブログ」とこたえているというデータもあります。
「従来はたとえば『自動車』というキーワードで検索すれば、大手自動車メーカーやディーラーなどの企業ホームページが検索結果ランキングの上位を占め、個人のホームページがランキングに入り込む余地は、ほとんどなかった。ところがブログ時代になって、企業ホームページと並んで、個人のホームページも検索結果ランキングの上位に入るようになってきたのである。こうした劇的な変化によって、ブログは無視できないほどの規模と質を兼ね備えはじめた。社会にたいして、大きな影響を与える存在になってきたのである」(『グーグル』佐々木俊尚・文春新書)。
インターネットは“双方向のメディア”といわれてきましたが、実際には、情報発信力の強い大企業やマスメディア、著名人などが中心の片方向になっていました。しかし、いま本当の双方向メディアになる可能性がひらかれています。
個人から発信された情報は、興味関心を同じくする人びとのあいだで検索され、共有され、話題となります。友人・知人や住んでいる地域の枠をこえて、人から人へ、口コミとしてひろがり、影響力を発揮しているのです。(つづく)