2007年2月2日(金)「しんぶん赤旗」
「従軍慰安婦」
日本の首相は謝罪を
米議会に超党派決議案
【ワシントン=山崎伸治】米民主党のマイク・ホンダ下院議員は三十一日、日本政府がアジア太平洋戦争中の「従軍慰安婦」の責任を認めて謝罪し、「総理大臣の声明」として表明するよう求める決議案を提出しました。これには他の民主党議員のほか共和党の二議員も加わり、超党派の決議案となっています。
「従軍慰安婦」に関する決議案は二〇〇一年の第百七議会以来、議会ごとに提出されていますが、日本の首相に謝罪表明を求めたのは今回が初めてです。
決議案は「慰安婦」制度が「日本政府による強制的な軍事売春」であり、「その残酷さと規模の大きさにおいて前例がない」「二十世紀における最大の人身売買」と指摘しています。
「日本の学校で使用されている新しい教科書の中には、『慰安婦』の悲劇、第二次大戦中のその他の日本の戦争犯罪を軽視しているものもある」と批判。旧日本軍の関与を認め、おわびと反省を示した一九九三年の河野官房長官談話を「弱め、撤回する」動きが日本政府内にあったこともあげています。
一九九五年に「アジア女性基金」が創設されたことを評価しつつ、同基金が今年三月三十一日に解体されることを指摘しています。
日本政府に対し、(1)明確であいまいでない方法で認知し、謝罪し、歴史的な責任を公式に認める(2)首相が公式声明で謝罪を表明する(3)「従軍慰安婦」はなかったという主張を明確に、公に否定する(4)現在と将来の世代に教育する―ことを求めています。
「慰安婦」問題の決議案は昨年九月、初めて下院外交委員会を通過しましたが、本会議での採決が行われず、廃案となりました。同決議をめぐっては、在米日本大使館がロビイストを使って、議会に働きかけていたことがわかっています。