2007年2月1日(木)「しんぶん赤旗」
世界で報道「怒りかりたてた」
厚労相「産む機械」発言
“世論 追及をゆるめず”
世界のメディア いっせい報道
日本の柳沢伯夫厚生労働相が女性を「子どもを産む機械」と発言したことについて、世界各国のメディアがいっせいにとりあげ、批判とともにコラムなどで皮肉を込めています。
この機械には自尊心がある
フランス紙
【パリ=浅田信幸】日本の柳沢厚労相が女性を「産む機械」にたとえた発言について、三十一日付仏紙ルモンドはミニコラムで取り上げ、「この機械には自尊心がある」などと皮肉を込めて報じました。
コラムは厚労相の発言を「数学的には問題ない」と指摘しつつ、批判の声が上がっていることに「この機械には自尊心があることの証拠だ」とし、「単なる命令でテンポを速めるわけにはいかない」「この機械にはやさしさが必要なのだ」などと書いています。
嵐の抗議を呼び起こした
英紙
英紙ガーディアンは一月二十九日付で、日本の閣僚が「女性のことを子供を産む機械」と呼んだとの見出しで報道、柳沢厚労相は「女性有権者のことをまったく考えずに発言した」と報道しました。
他の英各紙も「閣僚発言に激怒」(タイムズ紙)、「嵐のような抗議を呼び起こした」(スコッツマン紙)と批判の広がりを伝えました。
この意見で本心を見せた
ドイツ紙
独日刊紙ウェルト一月二十九日付電子版は柳沢厚労相の発言が「怒りの叫び声をかりたてた」と報道。日本人の女性の反応として、「まったくの挑発的な発言だ」「女性は人口問題を解決するために子どもを産むのではない。幸せになるためだ」との声を紹介しています。
独シュピーゲル・オンラインは一月二十八日、「同相はこの意見で真実の顔を見せた」とする意見を紹介しています。
政権にとって決定的な打撃
韓国紙
韓国紙東亜日報三十一日付は「泣きたい安倍」と見出しを付け、柳沢氏が「野党から辞任要求を受けているだけでなく、政府与党内の反応も冷淡だ」と伝えました。
文化日報三十日付は、「(発言への)波紋が日を追うごとに大きくなっている」と指摘。
ソウル経済新聞は三十一日付で、安倍首相が柳沢氏の辞任を拒否している理由を、「スキャンダルで閣僚が次々と辞任すれば、政権にとって決定的な打撃になると懸念しているからだ」と伝えました。
あくまで辞職もとめている
シンガポール紙
シンガポール紙聨合早報一月二十九日付は、柳沢厚労相は謝罪したが、「世論は追及の手をゆるめず、あくまで辞職を求めている」と報じました。
同紙は、作家の吉永みち子さんが柳沢氏の「本当の姿」がさらけ出されたと指摘したことなどを紹介。厳しい批判が相次いでいると伝えています。