2007年1月30日(火)「しんぶん赤旗」
インターネットのいま(5)
ホームページの光と影
1日37分
インターネットは、いまや日本社会に深く根をはったメディアとして、多くの人にとって、日常生活に欠かせないものになっています。一昔前のように、“パソコンに詳しい人がやるもの”などではありません。
総務省調査によると、一日に「ホームページ」を見る時間は年々増加し、〇四年には「新聞」の三十一分をこえて、三十七分となりました。「インターネット白書 2006」によると、インターネットの影響で利用が減ったメディアは、「テレビ」41・3%、「雑誌」37・5%、「新聞」29・4%となっています。いまやテレビ、新聞にならんで、国民が日常的に情報を得る手段として使われています。
そればかりではありません。若い世代を中心にして、友だちづくり、人間関係をひろげていくメディアとして積極的に使われています。「ネットユーザー白書」(〇六年)によれば、十五―二十一歳では、「話す」「自分を表現する」「出会う」をインターネットの一番の魅力と考えています。
同時に、“ネットの匿名性”を利用した悪質な行為が、いま深刻な問題となっています。「ネットでは住人たちが一つの話題に群がり、ときに『悪意』が燃えさかる。彼らはそれを『祭り』と呼ぶ」、「中部地方の主婦は半年前、ネットの掲示板『2ちゃんねる(2ch)』の『祭り』の被害に遭った」、「2ちゃんねらーたちが……主婦の子供が載ったことがある育児雑誌まで見つけ出し、名字を突きとめた。攻撃はネット上にとどまらない。『電凸』(電話による突撃)が始まった」(「毎日」一日付)。社会が抱える闇の反映でもあります。
日本で、インターネットの本格的な普及がはじまって十数年がたちました。さまざまな情報のやりとりと新たな人間関係のネットワークをつくりあげるためのメディアとして、豊かに発展させることができるかどうか――いま、インターネット利用者一人ひとりに、そのモラルが問われています。(つづく)