2007年1月25日(木)「しんぶん赤旗」

元国連人権高等弁務官

「対テロ戦争は間違い」

世界社会フォーラムで訴え “貧困対策の妨げ”


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(写真)ナイロビでの世界社会フォーラム会場で記者会見するロビンソン氏(右端)=23日(岡崎衆史撮影)

 【ナイロビ=岡崎衆史】メアリー・ロビンソン元国連人権高等弁務官は二十三日、ケニアのナイロビでの世界社会フォーラム会場で記者会見し、米ブッシュ政権の進める対テロ戦争が貧困対策や人権問題への対応を妨げてきたと批判し、方向を改めてこれらの問題への対応を急ぐよう訴えました。

 同氏は二十四日からスイスのダボスで開かれる世界経済フォーラムに出席し、公正な社会を求める世界社会フォーラム参加者の声を届けると約束しました。

 ロビンソン氏は、「9・11(米同時テロ)以後、貧困削減などミレニアム開発目標と人権の問題は押しやられ、人道犯罪者を裁くのではなく、対テロ戦争という極めて間違った考え方に支配されるようになった」と指摘。対テロ戦争を推し進めることで、人道に対する罪を犯した人物を正当な裁判で裁く機会を奪う一方、貧困や人権など最重要問題への対応を後景に押しやった米政府を暗に批判しました。

 同氏はその上で、「私たちは個人と集団にとっての真の人権問題をどう復権させるかについて考える必要がある」として、「対テロ戦争」の名で進められる戦争や人権抑圧などの流れを改め、貧困改善なども含む幅広い意味での人権状況の改善を進めることが今世界で求められているとの考えを示しました。


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