2007年1月25日(木)「しんぶん赤旗」
ホワイトカラー・エグゼンプション
名前を変えて法制化せよ
「土日出社したい人たくさんいる」
経財会議で民間議員
ホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間規制の適用除外)の今国会への法案提出を政府が見送ったことに対し、十八日の経済財政諮問会議で八代尚宏国際基督教大学教授ら民間議員が政府の対応を批判し、名前を変えてあくまで法制化すべきだと主張しました。
二十三日に公表された議事要旨で分かりました。
八代氏は「反対派が『残業代ゼロ法案』とワンフレーズで表現した。これに対してちゃんとした対応がとられていない」と不満を述べました。
同氏は「いわば管理職手当のように一定額を最初から出すことによって、それ以上残業が長くても短くても変わらないというのが本来の趣旨」だから「残業の定額払い法案」と呼ぶべきだと主張。「ぜひ、諮問会議の下の労働市場改革専門調査会でも訴えていきたい」と推進する構えを示しました。
民間議員の丹羽宇一郎伊藤忠商事会長も「土日でも残業代は要らないから出社したいという人がたくさんいる」として、「残業代は要らないから仕事をさせてくださいという人に、仕事をするなという経済の仕組みは実におかしい」と発言しました。
同氏は「自由労働時間制」と命名し、過労死防止のため内部告発制度や罰則を設けて導入すればいいと提案しました。
八代氏の発言のように残業代を「一定額」にするのであれば、長時間残業が不払いになるのは明らかです。出退勤の時間管理もしなくなるホワイトカラー・エグゼンプションで、過労死の使用者責任を労働者がどうやって立証せよというのでしょうか。