2007年1月25日(木)「しんぶん赤旗」
米大統領
「米国は戦時国家」
一般教書演説 イラク増派を正当化
【ワシントン=鎌塚由美】ブッシュ米大統領は二十三日夜、議会上下両院合同会議で一般教書演説を行いました。イラク政策への国民的批判に逆らいバグダッドへの米軍増派を強行している同大統領は、「成功の絶好の機会」だと増派策を正当化、あくまでイラク戦争推進に固執する姿勢を示しました。
ブッシュ大統領は、二〇〇一年の9・11同時多発テロに言及して戦争継続の必要性を強調。「米国は依然、戦時国家だ」とし、「米国に敵対し、中東を支配しようとする(イスラム教)シーア派過激主義者の危険の高まりに直面している」と語りました。また「シーア派過激主義者」を支援しているとして、イランを名指しで非難しました。
ブッシュ氏はまた、対テロ戦争は「武力衝突を超えた、決定的なイデオロギー闘争だ」などと主張。バグダッドへの米軍の増派がなければ「イラク政府はすべての過激主義者に圧倒される」とし、「イランに支援されたシーア派過激主義者と、(国際テロ組織)アルカイダと旧政権に助けられるスンニ派過激主義者の大闘争」は「イラク全土」だけでなく「中東全域」に広がると述べました。
中東諸国を巻き込む紛争拡大は「敵の目的だ」と述べたブッシュ氏は、米軍撤退でテロリストを勢いづかせることは「9・11テロ事件の教訓を無視し、悲劇を招くことになる」と語り、イラク戦争での勝利のため議会の支持を訴えました。