2007年1月24日(水)「しんぶん赤旗」
中川政調会長
事務所費3.6億円 6年間
“飲食費”も含める
事務所側「回答せず」
飲食費を領収書のいらない事務所費として計上するなど、不適切な支出が問題になっている自民党の中川昭一政調会長の資金管理団体が、事務所費として六年間で約三億六千万円も計上していたことがわかりました。中川氏の事務所は、事務所費の内容や事実関係について、「回答しない」としています。「政治とカネ」取材班
政治資金収支報告書によると、中川氏の資金管理団体「昭友会」は、二〇〇〇年からの六年間で、合計三億六千二百五十九万六千八百円を、事務所費として計上していました。二〇〇〇年、〇一年の事務所費が一年間で七千万円を超えています。
事務所費は政治資金規正法上、領収書が必要とされていません。そのため内容が不透明だと指摘されています。
中川氏はこれまで、〇五年分の事務所費(三千九十六万八百八十三円)について、「資金管理団体が国会近くにもう一つ事務所を持っており、その運営費が一千万円以上かかっている。(あとの二千万円は)文書交通費、文書通信費など必要な事務所経費だ」(十四日放送、フジテレビ番組「報道2001」)と説明してきました。
また、事務所費の一部に飲食費を計上していたことを認めた上で、「(秘書が)夜食を食べてはいけないのか」(同)などと発言しています。
本紙は、事務所費の内容、飲食費を事務所費として計上できる根拠などについて、中川氏の事務所に対して質問しましたが、「他党の機関紙には回答しない」としています。
国会近くに3団体同居
東京都千代田区永田町二丁目、国会近くにある「十全ビル」は、政治家の関連団体が多く入っていることで有名です。「中川昭一事務所」のポストもありました。
政治資金収支報告書によると、十全ビル701号室には、中川氏の関連政治団体「昭成会」「政経研究会」「中川会」の三つの「主たる事務所」が置かれています。
三団体の二〇〇〇年―〇五年の「事務所費」は別表の通りです。
「中川会」と「昭成会」は、BSE(牛海綿状脳症)対策を悪用した牛肉偽装事件で実刑判決を受けた浅田満被告が率いる「ハンナングループ」から一九九九年と二〇〇〇年に、パーティー券購入という形で、合計三百万円の資金提供を受けていました。内訳は「中川会」が二百万円、「昭成会」が百万円です。「昭成会」が献金を受けた九九年四月、中川氏は農水相でした。
「昭成会」はBSE問題で、米国産牛肉の輸入早期再開を求めていた外食産業の政治団体「外食産業政治研究会」からも、〇一年からの五年間で計四百八十万円の献金を受けています。
|