2007年1月24日(水)「しんぶん赤旗」
世界社会フォーラムで共感
世界平和に9条が効く
【ナイロビ=岡崎衆史】ナイロビで開催中の世界社会フォーラムで二十二日、憲法九条に関する分科会が開かれ、日本だけでなく世界の平和にとっても戦争と軍隊を放棄する九条が有効だとの考えを参加者が共有する機会になりました。また、九条を初めて知ったアフリカの人からも地域での安全保障の力として強い関心が寄せられました。
約五十人が参加した分科会では、まず、大阪中央法律事務所の梅田章二弁護士が、平和憲法下、本来軍隊を持たないはずの日本が、イラクに自衛隊を派兵するまでに至りながら、九条があるために他国の国民を殺してはいないことを指摘。「安定と平和のために九条はかかせない」として、これを世界に広げるよう呼びかけました。
平和で公正なアジアを目指す非政府組織(NGO)「新しい代案のためのアジア地域交流」の李大勲・韓国代表は、「憲法九条は日本が戦争したことを謝罪し、二度と繰り返さないことを表明したものだ」とし、「九条を変えれば、他の国も安全保障政策を変えることになる」と、九条改定が軍拡競争などアジアの不安定化を広げると警告しました。
会場からは、フィリピンや中国などアジア諸国とともに、アフリカの出席者からも、「九条を自国でどうやって広げていくのか」などについて質問が相次ぎました。
ウガンダの男性が武器の売買が日常化し、紛争が絶えないアフリカにとっての九条の意義を質問すると、司会の川崎哲さん(ピースボート)が、九条の平和主義の思想が小火器を含む武器売買やその拡散を防止することにつながることを説明し、男性がうなずく場面がありました。
ケニアに住むカトリック修道女のサロメ・ムウェンガさんは、九条の平和思想を「それぞれの国に応じた形で草の根から広げることが大事だ」と訴えました。