2007年1月21日(日)「しんぶん赤旗」

ボリビア

鉱業、再国営化へ

投資の外国企業に補償


 【メキシコ市=松島良尚】ボリビアのモラレス大統領は十九日、南米南部共同市場(メルコスル)首脳会議が開かれているブラジルのリオデジャネイロで記者会見し、資源主権の確立の強化に向け、過去に民営化された鉱業の再国営化に着手すると発表しました。

 詳細にはふれませんでしたが、完全な国営化ではなく、これまで投資をしてきた外国企業には相応の補償を行うと述べ、「企業は国の経済に貢献すべきだ」と指摘しました。

 ボリビアは、亜鉛など豊富な非鉄金属資源を有しています。一九七〇年代には全輸出額の約八割を占めていました。しかし、スズの国際価格暴落や設備の近代化の遅れから八〇年代後半に鉱業が衰退していきました。

 九〇年代に、新自由主義政策の一環として大規模な民営化が実施されましたが、非鉄市況がふるわなかったこともあり、期待していた近代化への投資が進まず、低迷が続いていました。最近は市況回復の兆しが見え、探鉱などが活発化し始めています。

 同国は昨年十月、石油・天然ガス分野のすべての外国企業と新契約を締結し、生産や精製、輸送などあらゆる面で国営石油公団が管理することになりました。事業収入の国の取り分は、大規模ガス田の場合、約二割から八割に増えました。

 鉱物資源でも鉱山公社を強化するとともに、外国企業が引き続きボリビアで操業する方向を探求するものとみられます。


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