2007年1月21日(日)「しんぶん赤旗」

格差ない統合めざす

南米南部共同市場

首脳会議が閉幕


 【メキシコ市=松島良尚】ブラジルのリオデジャネイロで開かれていた南米南部共同市場(メルコスル)の第三十二回首脳会議が十九日、二日間の日程を終えて閉幕しました。採択された最終宣言は地域統合の目標について、世界の他地域や他国にも開かれ、国の規模にも経済力にも差がある加盟国間の「非対称性」の少ない統合という原則を再確認。ボリビアの正式加盟要請に対する歓迎を表明しました。加盟承認は持ち越されました。

 経済的な「非対称性」について、議長国アルゼンチンのキルチネル大統領は昨年の首脳会議で、「ある国が他の国より生き生きする地域統合ではなく、連帯と公正の地域統合をめざす」と述べています。

 今回の首脳会議は、ボリビアの左派政権に続いてエクアドルの左派コレア大統領もメルコスルへの正式加盟を表明していることなどから、多くのメディアが「メルコスルのイデオロギー化」という角度から報じました。

 ベネズエラのチャベス大統領は、社会分野のとりくみの強化などメルコスルの改革を改めて訴えるとともに、報道陣に対し「メディアはチャベスがメルコスルをイデオロギー化し、汚染するというが、われわれは新自由主義がもたらした汚染を浄化しているのだ」と反論しました。

 ブラジルのルラ大統領は「イデオロギーの複数主義はメルコスルがめざす地域統合計画と完全に両立しうる」と指摘。「発展に向けた各国の政策の違いを尊重しなければならない」と述べました。

 首脳会議には、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル、ベネズエラの加盟五カ国および準加盟国のエクアドル、コロンビア、チリ、ボリビアの首脳とペルーの代表が出席。スリナムとガイアナの代表も招待され参加しました。議長国はブラジルからパラグアイに移りました。


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