2007年1月21日(日)「しんぶん赤旗」

イランヘの武力行使反対

米下院に2決議案


 【ワシントン=山崎伸治】ブッシュ大統領が十日に発表したイラク新政策で、イランに対する軍事的圧力を強める方針を示したことを受けて、米下院に二件の対イラン武力行使に反対する決議案が提出されました。

1本は超党派提案

 共和党のウォルター・ジョーンズ議員が十二日に提出し、十八日に記者会見で明らかにしたのは、両院合同決議案です。大統領が承認すれば法的効力が発生します。民主、共和両党の十二人が共同提案者に加わり、超党派の提案となっています。ジョーンズ氏はイラク戦争にも反対を表明しています。

 決議案は十五行ほどの短いもの。「本合同決議の発効日以前に発効した法律のいかなる条項も、イランに対する米国の軍事力行使を承認するものとは解釈されない」と述べ、イランへの武力行使を認める法律がないことを確認しています。

 また、「米国またはその領土、軍隊に対する、イランによる攻撃、あるいはイランによる明らかに差し迫った攻撃で、国家的な緊急事態が生じない限り、イランに対するいかなる軍事力を行使する前にも、大統領は議会と協議し、議会の法律に従った特定の承認を受けなければならない」として、先制攻撃を禁じています。

 もう一つは、民主党のピーター・デファジオ議員が十六日に提出し、十九人の同党議員が共同提案者となっている決議案。法的な拘束力はありません。

 (1)議会の承認なしにイランへの軍事行動を開始することは、大統領の軍最高司令官としての権限ではない(2)二〇〇一年の同時多発テロ後に採択された武力行使決議はイランには適用されない(3)対イラク武力行使決議もイランには適用されない(4)対イラン武力行使に議会の承認を求めることは憲法上の要件だ―と指摘しています。


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