2007年1月20日(土)「しんぶん赤旗」

疑惑に答えず開き直り

「事務所費」で民主・鳩山氏


 民主党の鳩山由紀夫幹事長は十九日の記者会見で、賃料のない議員会館を「主たる事務所」としながら年一千万円超の事務所費を計上した政治家に同党議員の名前があがっている問題について、「もともとは共産党の『赤旗』が意図的に問題としてきた。議員会館に事務所費がかかるはずはないという作為的なレトリック(修辞法)だ」と日本共産党を名指しで非難しました。

 政治資金規正法の趣旨は「政治活動の公明と公正を確保し」(第一条)、「国民の疑惑を招くことのないよう」(第二条)透明にすることです。その趣旨に照らして、領収書も不要で使途がチェックできない巨額の事務所費を計上した事実が、疑惑を招くのは当然のことです。

 「しんぶん赤旗」の報道は、家賃ゼロの議員会館を「主たる事務所」としながら、数百万から数千万円の事務所費を支出したことへの国民の当然の疑問を指摘したものです。だからこそ一般紙も続いて報道したのです。

 「朝日」「読売」「毎日」の三大紙はじめ「日経」「東京」も社説で事務所費問題を取り上げ、「『不適切な経理はしていない』と言うばかりだが、国民の不信感を軽く見ているのではないか」(「朝日」十三日付)、「仮に今の制度上は問題がないとしても、政治家には一段と高いモラルが求められているはずだ」(「毎日」十六日付)と指摘しました。

 鳩山氏が国民の疑念にこたえて使途を公表するのでなく逆に「赤旗」の指摘を「レトリック」と攻撃するのは、開き直りの「レトリック」です。

 鳩山氏が小沢一郎代表、松本剛明政調会長の事務所費に「後ろめたいものはない」というなら、実態を開示して透明にすべきです。そうでなければ、事実も示さずに「問題ない」といい張る伊吹文明文科相や松岡利勝農水相などと同じ立場にとどまることになり、与党の疑惑を追及する資格が問われることになります。(古荘智子)


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