2007年1月18日(木)「しんぶん赤旗」
第3回中央委員会総会決定の用語解説 (下)
- 第2章「地方行革推進のための指針
- 「部落解放同盟」「解同タブー」
- 政務調査費
- 「三位一体の改革」
- 地方交付税
- 第3章 「支部が主役」の配達・集金体制
- 双方向・循環型の活動
- 情勢判断の「四つの基準」
- 「日本共産党といっしょに日本をかえるネットワーク」
- 革新懇運動
- 結語 一九九五年の全国都道府県委員長・地区委員長会議
第2章 「地方行革推進のための指針」
総務省が二〇〇五年三月に策定したこの「指針」は、「新地方行革指針」と呼ばれています。九七年の自治省通知「地方行革指針」以来のものです。(1)〇五年度から〇九年度までの「集中改革プラン」の策定と公表を押しつけたこと(2)「行政自らが担う役割を重点化していく」理念を打ち出し、五年間で4・6%以上の職員定数の削減、指定管理者制度など民間委託の推進などを具体的に示したこと(3)総務省と都道府県が「助言」「公表」するなど推進方針を明確にしたこと―などが特徴です。この結果、全国95%の自治体が「集中改革プラン」を策定しました。九七年の「地方行革指針」にもとづく目標数字の公表が市段階で67%、町村段階で47%だったことと比べて非常に高い比率です。
「部落解放同盟」「解同タブー」
「部落解放同盟」は、一九二二年創立の全国水平社の伝統を受けつぎ、被差別部落の解放をめざして戦後結成された団体。しかし六〇年代半ばから「部落民以外はすべて差別者」とする特異な誤った理論が支配的になるなかで変質し、同調しない人々を「差別者」として「差別糾弾闘争」の名でつるし上げる暴力行為を各地で横行させました。また地方自治体を屈服させ、特権的な「同和事業」「同和教育」の実施を強要しました。マスメディアも圧力を恐れ、「解放同盟」の事件をまともに報道しない状況が生まれ、「解同タブー」と呼ばれています。
一方、七〇年代に部落解放運動の正常化をめざす人々が全国部落解放運動連合会を結成、今は全国地域人権運動総連合として活動しています。
政務調査費
政務調査費は、地方議会の活性化、政策・調査研究活動の強化を目的に、議員報酬とは別に会派・議員に支給される費用。二〇〇一年から地方自治法でも制度化され、自治体ごとに支給額や取り扱い方を条例で決めています。収支報告書の提出は義務付けられているものの、領収書の添付を義務付ける自治体は少なく、支出項目が資料費・研修費・事務費など八程度だけで、その内訳すらないところが少なくありません。これでは住民から「第二報酬」との批判が出るのも当然です。
日本共産党は、制度そのものには賛成ですが、政策立案・調査研究活動を保障しつつ住民の理解が得られる額であるべきこと、そのためにも領収書の添付・公開の義務付けを求めています。
「三位一体の改革」
政府が〇四〜〇六年度の三年間に、国と地方の財政について「改革」と称して進めてきた政策。「三位一体」とは、(1)国庫補助負担金の縮減(2)国から地方への税源移譲(3)地方交付税の縮減―の三つを一体として進めるということです。(1)では、義務教育費、公立保育所運営費、国保、児童手当などを中心に、〇三年度に前倒し実施したものも含めて約五・二兆円の補助金等が削減されました。一方、(2)の税源移譲は約三・二兆円にとどまったうえ、(3)の地方交付税は、実際の地方への配分額で見ると三年間で約五兆円も減少しました(地方交付税の代替財源である臨時財政対策債を含む)。この結果、自治体財政が圧迫され、地方間の財源格差が広がっています。
地方交付税
地方税や国庫補助負担金とともに、地方自治体の財源の一つです。一九五四年に制度がつくられ、国税(所得税・法人税・酒税・たばこ税・消費税)の一定割合を地方交付税とすることが法律で定められています。
自治体の仕事は、教育や福祉、医療、衛生、消防、道路・河川の管理・整備、産業振興など多岐にわたりますが、その多くは国が最低基準や標準を定めています。一方、自治体ごとに税財源には大きなアンバランスがあります。そのために、国が地方の標準的な仕事に必要な財源を保障するとともに、地方間の税財源のアンバランスを調整する必要があり、その制度としてつくられたのが地方交付税です。このことを地方交付税の財源保障・調整機能と呼びます。
第3章 「支部が主役」の配達・集金体制
「支部が主役」の配達・集金体制とは、地域支部では、責任を負っている地域内のすべての読者への配達・集金に責任をもち、職場支部では、職場内の読者名簿をもって、読者と結びついて活動を進めるためのしくみです。ポイントは、(1)機関紙係を決め(2)地域内のすべての読者名簿をもち(3)日曜版の配達では、支部が配達者ごとに仕分けし(4)集金では、集金者に領収書を届け、機関紙誌代を支部としてまとめ、地区委員会・出張所に納めること―です。配達・集金活動が安定するだけではなく、「支部が主役」の党活動を豊かに発展させる条件を広げています。『Q&A 支部の機関紙活動の手引き』を活用した改善の努力が広がっています。
双方向・循環型の活動
中央委員会から県、地区委員会にいたる党機関や支部の関係を一方通行でなく、血のかよいあった、温かい心がかよいあう関係をつくることです。民主的気風を大いに発揮しようという規約の精神にそったもので、支部と機関が、お互いに学び励まし合って、「政策と計画」をもった「支部が主役」の自覚的な党活動をつくりだすことが目的です。
三中総や全国都道府県・地区委員長会議では、進んだ地区委員会は例外なく、「知恵は現場にある」という立場で、支部によく入り親身になって相談し、一緒に考えながら活動している経験が発言されました。また、支部会議開催の重視や支部長会議の運営を支部の経験交流を中心にするとか、地区ニュースで支部活動を紹介するなどの活動改善を進めています。
情勢判断の「四つの基準」
選挙に勝つためには、節目ごとに的確な情勢判断をおこない、必要な方針を党と後援会に徹底し、手立てをつくすことが不可欠です。「四つの基準」は、その情勢判断の基準となるものです。(1)選挙の争点、党の政策と役割がどれだけ鮮明になり、有権者のあいだでどう評価されているか。宣伝や対話・支持拡大のとりくみはどうか(2)党議員・候補者の実績と活動はどうか。有権者の共感と支持がどれだけ広がっているか(3)他党・他候補の動向はどうか。反共攻撃がどのようにやられているか。それへの反撃はどうか(4)前回選挙、各種選挙での得票とその後の他党との力関係はどうか。党員、読者、後援会組織はどれだけあるか。前回とくらべてどうか。その力がどれだけ発揮されているか。
「日本共産党といっしょに日本をかえるネットワーク」
若い世代の要求や気分にかみあって、都道府県や地域、学園、職場などにつくられている、ゆるやかな日本共産党青年・学生後援会の性格をもつネットワークです。仕事やくらし、平和をめぐる要求や関心をもち、それらをどうすれば実現できるか情報を求め、日本共産党に関心をもっている若者に、「日本をかえるネット」のメールニュースを受け取るという一致点で気軽に登録(無料)してもらいます。要求や関心にこたえ、選挙の争点や日本共産党の立場、宣伝や演説会、フィールドワークの予定などの情報をニュースで届け、できることから協力してもらっています。
革新懇運動
「国民が主人公」の日本を展望し、平和・民主主義・生活向上の目標で国民的多数派をめざす運動です。思想・信条、政治的立場の違いを超えて一九八〇年からスタート。憲法、教育、基地、医療など国政の焦点をはじめ、まちづくり、環境問題、スポーツ・文化の振興など身近な課題にもとりくみ、各界の著名人や草の根の無党派、保守の人々との共同を広げています。
昨年二十二の地域・職場革新懇が誕生するなど、新しい活力を得て前進し、現在、構成員四百五十万人、地域・職場・青年組織七百六十六を数えています。
結語
一九九五年の全国都道府県委員長・地区委員長会議
今回の全国都道府県委員長・地区委員長会議は十二年ぶりに開催されました。前回の会議は九五年五月に、七月の参議院選挙での躍進に向けた全党の総決起の態勢確立のために開かれました。
その会議では、直前の四月のいっせい地方選のたたかいを総括して教訓を深め、広大な無党派層にどうはたらきかけるか、党の姿・役割を大いに語り、壮大な「世直し運動」を進め、「支部が主役」の選挙戦、党勢拡大の上げ潮で選挙戦をたたかうことを意思統一しました。
そのもとで全力をつくして奮闘した結果、党は参議院選挙で改選五議席を上回る八議席に大躍進し、九年ぶりに国政選挙での議席の前進をかちとりました。