日本共産党

2003年1月12日(日)「しんぶん赤旗」

作家たち「イラク攻撃反対」

日本ペンクラブ 「戦争と平和」を考える集い

戦争の世紀くり返すな


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日本ペンクラブが開いた「いま『戦争と平和』を考える」のパネルディスカッションの討論を聞く参加者=11日、東京・千代田区、日本プレスセンタービル

 11日、東京で日本ペンクラブ主催の「いま『戦争と平和』を考える」集いが開かれました。会場いっぱいの350人を前に、作家たちがアメリカのイラク攻撃反対を強く訴えました。

 講演で、七十七歳になる梅原猛同クラブ会長は、「九死に一生を得た」という空襲体験と軍隊生活をふまえ、しみじみとした口調で「戦争は、嫌や。なんでやるんでしょうか」。平安三百五十年、江戸二百五十年続いた平和にこそ日本の伝統があると語り、「平和国家の伝統を守るべきだ」と訴えました。

 井上ひさし副会長は、アメリカの単独行動主義を批判し、「日本がそれに合わせているところに、日本人として危機感をもつ」とのべました。三好徹副会長は、ワシントンの十万人反戦集会も報道しないマスコミの姿勢に疑問を呈し、「言うべきことを主張するのが新聞人。戦争のにおいが再び立ちこめるいま、みなさんとともに言論の自由を守りたい」とのべました。

 続くパネルディスカッションでは、若手作家たちが「いま、私たちに何ができるのか」をめぐって討論。

 「日本には、素晴らしい憲法があることを自覚して、戦争に反対していく」(『赤毛のアン』の翻訳を手がける松本侑子さん)、「作家が、自由に書けなくなっているいま、遠慮せずに戦争反対を主張することを貫きたい」(エッセイストの米原万里さん)、「私は、このテーマには向いていない人間。でも文学者には政治的発言は、絶対必要」(作家の阿刀田高さん)。

 芥川賞作家の新井満さんは、映像も使って発言。「(フィクションによって真実を伝える)文学の力は捨てたものじゃない」とのべ、「絶望したくなる時代だが、踏みとどまって戦争をさせないイメージを広げたい」と決意を表明しました。

 まとめに立った加賀乙彦副会長は、この集いが、アメリカのイラク攻撃に「否」をいおうという切実な思いから企画されたことを紹介。「ばかげた戦争の世紀を繰り返してはいけない」と呼びかけました。


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