2003年1月10日(金)「しんぶん赤旗」
昨年二月の長崎県知事選をめぐる違法献金事件で、県発注工事を受注したゼネコンに寄付を要請した疑いが持たれている自民党長崎県連(会長・虎島和夫衆院議員)が、金融機関の債務免除を受けて経営再建中の準大手ゼネコン、フジタ(東京)とハザマ(同)の二社から債務免除合意後の一九九九年以降、計七百万円の献金を受けていたことが九日、分かりました。フジタは九九年三月に千二百億円、ハザマは二〇〇〇年九月に千五十億円の債務免除で取引金融機関と合意していました。
関係者や同県連の政治資金収支報告書などによると、フジタは九七年に百万円、九八年に二百万円を献金しています。債務免除合意後の九九年九月には二百万円、二〇〇〇年六月、〇一年八月にも各二百万円の計六百万円を献金。九七年に百万円、九八年に二百万円、九九年に百万円を献金してきたハザマも債務免除を受けた二〇〇〇年には献金しませんでしたが、〇一年十二月に百万円を献金しました。
県連は「債務免除企業という認識はなかった」としています。フジタ広報室は「債務免除後の政治献金は自粛していたが、一部で徹底されていなかった」、ハザマ広報室は「会社として寄付した事実はなく、県連の献金要請も断っているが、現在事実関係を再度確認中」としています。
一連の事件では、中堅ゼネコンの鉄建(東京)や大手の清水建設(同)が献金を帳簿外の「裏金」から捻出(ねんしゅつ)した疑いが出ています。経営再建中の佐藤工業(同)も会社更生法適用申請直前の昨年一月、総額百万円を社員名義で小口献金した疑惑が浮上。県連に対する企業の不自然な献金の実態が明らかになっています。