2002年12月29日(日)「しんぶん赤旗」
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「小泉純一郎総理大臣 アメリカの不当なイラク武力攻撃には反対が日本の採る道です」。札幌市東区の株式会社りんゆう観光社長の植田英隆さん(57)は、十一月二日から自社ビルの壁に垂れ幕を掲げています。幅一メートル、長さ八メートル。植田さんと親しい友人らでつくるグループ「鳥目の会」でつくったものです。
「今年の春に『会』の仲間とアフガンの次はイラクが危ないなと話していたんです」。藻岩山スキーリフトや層雲峡ロープウエーを運営する同社は、一九七三年の第四次中東戦争の際に起きた第一次オイルショックでスキー客や観光客が減少し大きな影響を受けました。
「もしも戦争になったら石油ショックが再来するかもしれないし、さらに景気は悪くなり、大きな影響がある」。なにか意思表示をしたいと、掲げました。
地元新聞にも取り上げられ、わざわざ見に来る人もいました。
インド洋へのイージス艦派遣を複雑な思いで見つめる植田さん。「わたしの思いは『反戦』というより『えん戦』。戦争を望む人は少ないと思います。垂れ幕が議論のきっかけになれば」
年明けも掲げ続けます。