2002年12月29日(日)「しんぶん赤旗」
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野宿生活者への支援活動に取り組む名古屋市の南山大学の学生らは二十八日までの三日間、同市内で「越冬セミナー」を開きました。市民や高校生ら約三十人が参加しました。
初日の二十六日、参加者は食事の炊き出しの準備から、高速道路の高架下での三百五十食を超える配食を体験し、野宿生活者と交流しました。二日目は、昼と夜の二回、公園や名古屋城周辺、市内主要駅周辺で、野宿生活者の小屋やテントをまわり、交流や安否確認をしました。
野宿生活者の現状を伝えるスライドの上映会もあり、襲撃・撲殺された当事者の場面では、一同息をのみました。
越冬セミナーは、野宿生活者の自立支援をしている「NPOささしま共生会」が主催し、一九八九年から始まりました。六年前から、炊き出しのボランティアをしている大学生による、野宿生活者への理解を目的とした体験講座になりました。
最終日、参加者による感想・交流会では、「実際、小屋の中を見て、清潔に暮らしていることがわかった」などの経験や野宿生活者への襲撃問題が話題になりました。
参加者の男子学生(20)は「野宿をしている人たちを訪ね、多くのことを話して思うのは、偏見をなくすために本当の姿を見てほしいことです」と話しました。