2002年12月28日(土)「しんぶん赤旗」
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総務省が二十七日発表した十一月の労働力調査の結果によると、完全失業率は季節調整値(各月を比較できるよう季節的要因を調整した値)で、前月より0・2ポイント低下し、5・3%となりました。男性は0・3ポイント低下の5・6%、女性は0・2ポイント低下の4・9%です。
完全失業者数は一年前の十一月と比べ(前年同月比)十二万人減少し、三百三十八万人でした。前年同月比で連続して増加していましたが、二十カ月ぶりに減少しました。若年層の失業者減少が「指標好転」の要因ですが、同省統計局は「経済環境や雇用情勢が厳しく、みずから離職する若年者が減っている」と分析しています。
世帯主失業者は百三万人で一年前より二万人増加、世帯主の配偶者も失業者が同じく二万人増加しています。非自発的離職者は同二十九万人増の百五十二万人と十六カ月連続で増加しており、リストラ・人減らし、長期不況で雇用情勢は依然、深刻です。
就業者数は六千三百四十六万人で一年前より八十四万人減と二十カ月連続の減少。就業者のうち雇われている人を示す雇用者は同二十二万人減で同十五カ月連続の減少です。また、自営業主・家族従業者は九百六十九万人で同五十三万人減と三十四カ月連続の減少。働く場は依然として縮小をつづけています。
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厚生労働省が二十七日発表した十一月の一般職業紹介状況によると、有効求人倍率(季節調整値)は、前月より0・01ポイント上昇(改善)し、〇・五七倍でした。有効求人が前月に比べ0・1%減りましたが、有効求職者も同1・2%減ったためです。
雇用の先行指標といわれる新規求人は、一年前(前年同月)より7・0%増と、五カ月連続の増加です。しかし増加幅は前月(10・7%)より縮小しました。産業別にみると、前月に引き続き、「製造業」(前年同月比21・5%増)、「サービス業」(同10・2%増)、「運輸・通信業」(同6・3%増)、「卸売・小売業、飲食店」(同3・0%増)は増加となり、「建設業」(同8・0%減)は減少となりました。
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十一月の有効求人倍率を都道府県別にみると、鹿児島県が前月比0・03ポイント低下するなど、十五県で悪化しました。