2002年12月23日(月)「しんぶん赤旗」
滋賀県豊郷町が、文化財的価値の高い豊郷小学校の校舎解体工事を、裁判所の工事差し止めの仮処分命令も無視して強行したことに対する、住民の校舎内に泊まり込んでの阻止行動は二十二日も続いています。
「豊郷小学校の歴史と未来を考える会」(本田清春代表)は同日、大野和三郎町長に町民への謝罪と学校の復旧、工事契約の破棄を求め、町教委と教育長に復旧を求めて申し入れを行いました。
町は同小学校の水道を止める措置をとる一方、解体工事で壊した窓は放置。窓は住民が雨の吹き込みを防ぐ応急措置をとりましたが、校庭には二階から投げ落とされた窓枠が樹木に引っかかり、ガラス破片が散乱したままです。防災装置も切られ、学校は無防備状態になっています。
また、解体工事強行のさい破壊された旧豊郷青年学校の鬼瓦(おにがわら)が放置されていたことも分かりました。瓦は研究家が歴史的価値を指摘しているもので、町が保管の措置を取らないため、住民が校舎に運び込みました。
学校周辺のフェンスとガードマンによる封鎖は二十一日夕から解かれ、学校には、県内大津市や野洲町、県外の名古屋市などからも支援や見学の人たちが続々と訪れ、国会議員の視察もおこなわれました。二十三日には、日本共産党の穀田恵二国対委員長・衆院議員が現地を視察し、住民を激励する予定です。
米国出身の著名な建築家、ヴォーリズ氏が設計した滋賀県豊郷町の町立豊郷小学校の改築をめぐる問題で、改築に反対する住民グループは二十二日、記者会見し、二十四日にも大野和三郎町長を建造物損壊容疑でジ賀県警に告訴・告発する方針を示しました。業者が裁判所の仮処分決定を無視する形で解体工事を強行しようとしたことについて、寺田教育長は二十一日、「町長の指示」と発言したといいます。