2002年12月23日(月)「しんぶん赤旗」
二〇〇二年十二月分の政党助成金が二十日に交付され、一年間で総額三百十七億円の税金が各党に配られました。
二〇〇〇年国勢調査で人口が約百三十五万五千人増えたため、赤ちゃんからお年寄りまで一人当たり二百五十円を乗じた金額がプラスされて昨年より約三億四千万円増額しました。
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制度導入の一九九五年から二〇〇二年の八年間で、日本共産党を除く各政党が受け取った政党助成金の総額は二千四百九十一億円にのぼります。
政党助成制度は、国民の納めた税金が支持していない政党にも配分されるもので、日本共産党は憲法違反だとして廃止をめざし、受け取りを拒否しています。
深刻な不況の下で、国民に負担増を押しつけている政党や政治家が、政党助成金は”聖域”にしていることに、厳しい批判が出ています。
十六日に奈良・上牧町議会が可決した政党助成制度廃止を求める意見書は、医療費負担増や雇用保険料のアップ、児童扶養手当の支給減など「国民負担はますます大きく」「福祉施策の後退は顕著であると言わざるをえない」と指摘。「政党や国会議員が既得権益にしがみつき『お茶を濁した程度』の改革、痛みでしかないのであれば、国民は唯々諾々と承服できるものではない」とのべています。
臨時国会で母子家庭への児童扶養手当大幅削減が強行されましたが、すでに手当の減額は八月から実施されており年間で三百六十億円の予算が減らされます。
年金給付を物価下落分に応じて引き下げることも来年度予算の財務省原案に盛り込まれ、1%引き下げで約四千億円の給付カットになります。高齢者医療では一割の定率負担を強行(十月実施)したため、受診するお年寄りの負担は年平均二千億円も増えます。
「『政党交付金』を直ちに廃止し、その財源を経済不況で苦しんでいる国民の生活に役立つ施策への財源とすること」(上牧町議会意見書)。こうした声はますます強まっています。