2002年12月21日(土)「しんぶん赤旗」
主要大企業二十社で三十七兆円をためこむ一方で、一年間で二万人を人減らし―。全労連(全国労働組合総連合)は二十日、来春闘に向けた学習会や職場討論に役立つ資料集『検証・大企業の内部留保 二〇〇三年版』(ビクトリーマップ)を発表しました。長引く不況のもとで、大企業は空前のリストラをすすめ、膨大なため込み利益(内部留保)を蓄積してきたことを示しています。
主要二十社のうち、一番多く増やしたのは、トヨタ自動車。六千七百六十八億円増の七兆九千四百億円です。次いで、東京電力が四千四百六十六億円、日産自動車四千三百七十二億円の順。十一万人リストラを強行したNTTは、内部留保を六千億円近くとり崩しましたが、それでも八兆二千八百億円をため込み、第一位を維持しています。
日立、東芝、東京三菱銀行など十社は内部留保を減らしていますが、全体では前年より二千三百七億円を積み増しし、総額は三十七兆千二百七十八億円に達しています。
従業員数では、日立が一年間で一万六千九百人、東芝とNKK(日本鋼管)がそれぞれ一万千人余を削減しました。トヨタが三万千人増やしているため、関連会社を含めた連結の従業員数では四千二百六十四人の減にとどまっていますが、二十社の親会社そのものは一万九千九百人の従業員を減らしています。