2002年12月19日(木)「しんぶん赤旗」
十日で三割、五割といった異常な高金利と暴力的な取り立てが問題となっているヤミ金融問題で、全国ヤミ金融対策会議は十八日、ヤミ金融業者延べ千三百六十五業者を出資法違反(高金利)で警視庁や各県警に告発しました。
同対策会議は来年一月末までに全国で延べ二千六百六十五業者を告発する予定です。全国いっせい告発は、今年九月の延べ約二千三百業者に次ぐもの。
同対策会議の宇都宮健児代表幹事らが同日、東京都内で記者会見しました。
個別の被害では、▽ヤミ金融業者から九万五千円を借りた女性が、支払いが遅れたのを理由に三十万円請求され、「ないなら体を売ってつくれ」と脅された▽ドアを激しくたたく、家の前で騒ぐ、マジックでドアに「金返せ」と大書するといった暴力的な取り立てをうけた―などのケースがあったと木村裕二弁護士らが紹介。最近は口座番号がわかると勝手に五千円程度を振り込み、数万円を「かえせ」と脅す、という手口が増えているといいます。
脅迫は相談員にも及び、全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の本多良男事務局長は、ヤミ金融業者から「六時にいいものが届く。息子の指が届くぞ」と脅されたと話しました。
同会議は告発とあわせ、警視庁に、ヤミ金融被害の相談について対応を改善するよう要望。溝呂木雄浩弁護士は「何か起こらなければ動けない、と相談に乗らず、殺人事件にまで発展したケースもある。警察がヤミ金に電話一本すれば被害者は救われるのにそれさえやらない」と話しました。