日本共産党

2002年12月19日(木)「しんぶん赤旗」

雇用保険料上げに道

労政審部会

給付額・期間も縮小


 厚生労働相の諮問機関・労働政策審議会の雇用保険部会は十八日、失業者の命綱の雇用保険制度を、負担と給付の両面から改悪する報告書をまとめました。

 政府はこれにもとづき、来年の通常国会に雇用保険法改悪案を提出、来年五月から実施する方針です。

 負担について報告書は、ことし十月に引き上げたばかりの保険料率(月額賃金の1・4%、労使折半)を、1・6%にさらに上げることを「やむを得ない」と容認。しかし世論の反発が強いため、二〇〇三年度〜〇四年度は現行据え置きとしましたが、これには”抜け穴”を設けました。

 自公保与党三党が合意した「弾力条項に基づき0・2%の範囲内で増率変更する」がそれ。報告書も「弾力条項の発動ができるものとする」と明記しました。これは、大臣判断でいつでも引き上げができる方法で、〇四年度までの間でも必要と認めれば引き上げることに道を開きました。

 給付では、給付日額を離職前賃金の50〜80%(現行60〜80%)に、給付期間を定年離職者などは最大百五十日(現行百八十日)に引き下げます。

 小泉内閣は、失業を激増させる不良債権処理加速策を実施してもセーフティーネット(安全網)を用意するから大丈夫としていますが、それが「危険網」になるわけで、政府・与党の責任は重大です。


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