2002年12月18日(水)「しんぶん赤旗」
「解同」(部落解放同盟)とつながる埼玉県の建設業者「三ツ和総合建設業協同組合」(山本亜細雄代表理事、本社=さいたま市)が、公共工事談合で埼玉県や市町村から指名停止措置にされたことを怒り、「数十億円の被害を受けた。賠償しろ」などと理不尽な要求をつきつけていたことがわかりました。同組合側は市の担当者に「部落解放同盟埼玉県連合会大宮支部」の名刺を出して、「研修会」への出席を要求していました。
三ツ和総合建設業協同組合は、今年四月、埼玉県川越市発注の公共工事にからむ談合で、公正取引委員会から独占禁止法違反(不当な取引制限)として排除勧告を受けました。同組合は、これを応諾。埼玉県は、五月に同組合を三カ月の指名停止にしたほか、県内の市町村もいっせいに同期間程度の指名停止としました。
ところが、指名停止後から今年の秋ごろまでに、同組合の山本毅副理事長ら四、五人が県、さいたま市などを訪れ、同組合を指名停止処分とする根拠となった自治体の「指名停止措置要綱」の撤廃を要求。その際、「指名停止取締委員会」を名乗り、組合が指名停止処分となったことに関連して、「(組合の)足を引っ張る様な事は許されない」「我々が行政にペナルティーを課す(原文ママ)ことは当然である」などと書いた文書を自治体側に渡しました。
さらに、ある市の職員によると、同組合側は「いまわれわれに被害が出ている。みんなで賠償すべきだ」「われわれに仕事を与えることで償いをしていただきたい」などとも要求しました。
また、県の担当者も同組合から「指名停止で仕事がとれず、何十億と損を出した。どうにかしてくれ、ということはいわれた」と語りました。談合で指名停止を受けながら、その「賠償」を求めること自体、むちゃな要求で、県やさいたま市などは「要求に応じることはない」としています。しかし、同組合は「解同」との関係を示しながら自治体関係者と交渉しています。
もともと同組合は、山本代表理事自身が「部落解放運動の一環として…設立された」(地元紙)と説明する組合で、前代表理事は「解同」埼玉県連大宮支部支部長。
同組合は十一月に、独禁法の「研修会」を開催し、この研修会への参加を各自治体担当者に求め、そのさい、自治体担当者に「部落解放同盟埼玉県連合会大宮支部」の肩書がある名刺を出しています。同組合は、埼玉県発注の土木部門の公共工事を二〇〇一年度に三十億円(契約金額)受注し、同県の土木部門の受注ランキングで三年連続二位です。