日本共産党

2002年12月17日(火)「しんぶん赤旗」

住友生命と勝利和解

結婚で昇進差別 12人に解決金

働くミセスに扉開いた


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勝利解決報告集会で喜び合う原告と弁護団=16日、大阪市・中之島公会堂

 結婚を理由に昇給昇格で差別をうけたとして、住友生命(本社・大阪市)の内勤の女性が、同社と国を相手取り、差額賃金や慰謝料などの支払いを求めた訴訟は十六日、会社側が解決金九千万円を支払うなどの内容で大阪高裁第八民事部で和解しました。

 提訴から七年、旧労働省の大阪婦人少年室に調停申請してから十年。「ミセスのどこが悪いねん」を合言葉にした女性たちのたたかいは、大企業を追い込み、働く女性に新たな勇気を広げました。

 訴えていたのは渡辺康子さん(60)ら十二人(現在七人が定年退職)。大阪地裁は昨年六月、同社の既婚者差別を認め、差額賃金や慰謝料など九千万円の支払いを命じました。しかし、調停申請を却下した国に原告が求めていた慰謝料は退けました。

 裁判は大阪高裁に移りましたが、同高裁の勧告で裁判と同時に和解協議がおこなわれてきました。

 会社側との和解条項では、「双方が原判決を尊重する」とし、(1)会社側が原告全員に解決金九千万円(総額)を支払う(2)在職中の五人については退職までの分を別途和解金として同時に支払う―としました。

 国との和解条項では、国側が「男女雇用均等法の適切な運用に努める」などとしていることから、原告は和解に応じました。

 原告団長の渡辺康子さんは、「地裁の判決を尊重した勝利和解で、女性の差別をなくすという扉を切り開いたものだと思います。住友生命には既婚女性差別のない職場を実現するよう求めたい」と話しました。


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