2002年12月14日(土)「しんぶん赤旗」
残業しても割増賃金を支払わない、いわゆるサービス残業(ただ働き)をさせた企業にたいし、全国の労働基準監督署が是正指導した結果、総額八十一億円が労働者に支払われたことが十三日、わかりました。厚生労働省が初めて集計したもので、今年九月までの一年半の間に、一企業あたり百万円以上の支払額となったものが対象です。
調査結果によると、是正企業数は六百十三企業、対象労働者は七万一千三百二十二人にのぼります。支払総額は八十一億三千八百十八万円。このうち、一企業あたり一千万円以上を支払ったのは百十九企業(全体の19・4%)で、対象労働者は四万三千九百十一人(同61・6%)、金額は五十九億七千五百九十七万円(同73・4%)です。一千万円以上支払った企業の平均は五千二十二万円、労働者平均で十四万円でした。
業種別でみると、製造業、商業、金融・広告業がワースト3で、企業数、対象労働者数、支払額ともに上位三位を占めています。関西の卸売会社が社員約二千人に、十二億八千七百九十三万円を支払ったのが一企業での最高支払額でした。
大企業でサービス残業が横行し、職場労働者や家族から告発の運動がすすみ、日本共産党もたびたび国会質問でとりあげてきました。厚生労働省は昨年四月に重い腰をあげサービス残業根絶通達をだし、監督、指導をつよめています。