2002年12月13日(金)「しんぶん赤旗」
愛知県美浜町議会(定数20)で12日、「北朝鮮による日本人拉致事件に関する意見書」にかんする質疑中、公明党議員が、同意見書の内容と無関係な日本共産党への反共攻撃をおこなったものの、公党への誹謗(ひぼう)だったとして謝罪し、発言を削除する事態となりました。
同意見書は、日本共産党の中野清孝議員と保守系議員ら七人が共同で提案したものです。
公明党の伊藤津富議員は、質問の大半を公明新聞を読み上げる形で、日本共産党と中野議員に対する反共デマ攻撃に終始しました。そのため、中野議員がただちに「事実にもとづかない、ウソでかためた、公党と個人に対する誹謗だ」と反論しました。
事態を重視した畑中清成議長がいったん休憩を宣言、協議の結果、伊藤議員の「お詫(わ)び」と発言削除を確認しました。
この後、議会で伊藤議員が「お詫び」を読み上げ発言の削除を表明、全会一致で承認されました。
伊藤議員の表明は次の通りです。
「個人と公党に対し、非難・誹謗となる発言をしましたことをお詫び申し上げます。また、議事進行を混乱させたことにつきまして、議長ならびに皆様にご迷惑をかけたことをあわせてお詫び申し上げます。なお、この件につきましては、私の発言をすべて削除させていただきますようお願いします」
中野議員は「議会の場で拉致問題を党利党略に使うのは許されない。民主主義にまったく反するものだ」と語り、保守系議員は「拉致問題の意見書で政党や議員を攻撃するのは問題だ」と話していました。