2002年12月8日(日)「しんぶん赤旗」
日本労働弁護団は七日、全国いっせいに「リストラ・残業一一〇番」を実施しました。長引く不況とリストラが吹き荒れるもとで、サービス残業(ただ働き)など職場で強まる長時間・過密労働をなくし、退職強要をはねかえそうと全国二十六の法律事務所で電話相談を受け付けました。一日で七百二十三件の相談が寄せられました。
東京・千代田区の労働弁護団本部での「一一〇番」は、のべ二十五人の弁護士が対応。受話器を置いたとたんに次の電話がかかってきます。
「月の残業代は千五百円から二千円までと決まっていて、それ以上は、残業しても残業代がでない。しかも会社はタイムカードを操作してごまかしている」、「深夜までの残業で最終電車に乗れないが、タクシー代は自腹を切らされている」、「タイムカードを打ってから残業している」、「午前七時から深夜二、三時まで働いている。体調不良でやせてしまった」と残業代不払いや長時間働かされている深刻な相談が集中しました。家族からの切実な訴えも多く寄せられました。
「企業再編で会社が吸収・合併され、いままで働いていた部門がなくなった。四十五歳以上は辞めろと迫られ、拒否すると営業にまわして、全国配転すると脅される」という退職強要についての相談もありました。
「一一〇番」を担当する棗(なつめ)一郎弁護士は、「前回は東京の事務所だけで百八十件の相談がよせられましたが、今回は二百件に迫る勢い。依然、深刻な状況です」と語っていました。