2002年12月5日(木)「しんぶん赤旗」
川崎協同病院の佐々木秀樹・院長と川崎医療生協の原弘明・理事長は四日、「気管チューブ抜去、薬剤投与死亡事件」の容疑者として同病院に勤めていた医師の須田セツ子容疑者(48)が逮捕されたことをうけ「司法の場で、事件の真相が究明される段階を迎えたものと受け止め…事の重大性を厳しく認識し、あらためてご遺族と広く社会におわびを申し上げます」とする声明を発表しました。
声明では「病院組織としての責任を果たすため」、内部調査委員会と識者による外部評価委員会を設置し報告を公表、その取り組みを通じて「病院の抱えていた様々な問題点が明らかになってきました」としています。
「問題点」として「『患者の人権を尊重する医療』という医療生協の基本理念を、医療の現場で徹底できなかったこと」、「チーム医療を推進する上で弱点をもっていたために、一人の医師の判断だけで医療が進められ、今回の事件を防ぐことができなかったこと」、「三年半にわたりこの問題の解明を怠り、公表するにいたらなかった病院管理部の危機管理意識の欠如、管理運営上の問題点」をあげています。
「病院の欠点を克服」するために「職員が一丸となって取り組む決意をあらためて表明」。八月から九月にかけて幹部の大幅な異動を行っており、「新たな体制のもとで再出発を期し」、「病院改革のための十二のプロジェクト」の作業をすすめ、「『再生プラン』を十二月の(医療生協)総代会に提案するよう準備を進めています」としています。