日本共産党

2002年12月3日(火)「しんぶん赤旗」

朝鮮戦争への誤った評価を

公明党はいつ取り消したのか


 公明新聞は十二月一日付に、十一月二十三日付本紙の特集「北朝鮮問題 『反省』すべきは公明党ではないのか」にたいする「反論」と称する一ページ大の「特集」をのせています。

 しかし、本紙が公明党に問いただした、肝心の問題――北朝鮮が国際的な無法行為をすすめた一九七〇年代から、公明党訪朝団を派遣して金日成個人崇拝体制に迎合し、八〇年代のラングーン爆破事件や日本漁船銃撃事件、大韓航空機爆破事件、拉致問題などでは北朝鮮にたいする批判をできるだけ回避し、九七年にも「金正日閣下の指導体制の下でのご繁栄が……」と藤井富雄・「公明」代表(当時)が祝電を打っていた等々、数々の具体的事実の指摘――には、「そんな愚論にまともに取り合うのも馬鹿らしい」と議論を避けています。長い「特集」のわりには、中身がまったくなく、まさに反論不能状態です。

 それでいながら、一九五〇年に勃発し、五三年に休戦した朝鮮戦争の問題について、日本共産党は、一九九四年の『日本共産党の七十年』で、「北の侵略」を「明確に認める表明を行」うまで、「北朝鮮に『迎合』し、その『無法行為』を擁護してきた」などといっています。これも、こっけいな非難の典型です。

 日本共産党は歴史研究の発展によって、事実の間違いが明らかになれば堂々とその間違いを明らかにした上で訂正しています。

 朝鮮戦争の歴史の見直しも日本共産党は、一九八〇年から自主的研究をすすめ、八八年九月八日に発表した「朝鮮問題についての日本共産党中央委員会常任幹部会の見解」で、北朝鮮が「南部全面解放による朝鮮統一の立場から軍事行動をおしすすめた」ことを明確に指摘。この見解が「北の計画的な軍事行動によってはじめられたものであることを明らかにし」「アメリカの朝鮮への侵略だとする従来の主張を改めた」ものであることも公表しています(「赤旗」八九年三月十一日付)。

 ちなみに、公明新聞七二年六月十日付には、アメリカは「一九五〇年の朝鮮戦争時には一連の安全保障理事会決議によって共和国を『侵略者』と決めつけ、国連軍(じつは米軍)の名を騙(かた)って三十八度線を越えて武力攻撃を加えた」と書いていました。また、七四年の「公明党に関する50問50答」(『公明』臨時増刊号)も、「朝鮮戦争前後の米国の行動を見ると……朝鮮戦争が起こったときには一連の安全保障理事会決議によって、北朝鮮を『侵略者』と決めつけ、国連軍(主力は米軍)を派遣し、武力介入を行なったのです」とのべていました。

 公明党はこの見解をいつ取り消したのでしょうか。

 なお、公明新聞は、六八年一月、北朝鮮が韓国に送り込んだ「武装遊撃隊」による大統領官邸襲撃事件(青瓦台事件)を当時の「赤旗」が「デマ」だと否定した問題をもちだしています。しかし、この問題も、日本共産党はそれが北朝鮮の「南進」の企図のあらわれだとわかると、それを放置することなく、六八年八月に宮本書記長(当時)を団長とする代表団を北朝鮮に送り、金日成との会談で「南進」の企図の誤りを正面から指摘、金日成指導部の「南進」の企図をやめさせる努力をつくしたのです。このことは、十月十九日付、十一月二十三日付の本紙特集(グリーンパンフ『北朝鮮問題 「反省」すべきは公明党ではないのか』収録)でくりかえし明らかにしたとおりです。(O)


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