日本共産党

2002年12月1日(日)「しんぶん赤旗」

気管支炎治療を中止
薬を減らす人が増加

保団連の「負担増」調査


 十月から実施された高齢者医療の窓口負担増。全国保険医団体連合会の調査(1面所報)に寄せられた医療機関の声から、適切な治療を受けられない患者への深刻な影響が見えてきます。

★在宅酸素療法

 ○…月一回の自己負担が八百五十円から一万円、約十倍に。急激な変化に救済策が必要

 ○…慢性気管支炎だが負担増のため中止

 ○…月の二回目の負担が突出。(患者への)説明が容易でない。月一度の訪問診療でよいという例も出ている

 ○…患者さんから「こんなに高いならやらない」「安心して治療受けられない」「早く死んだほうがいいってことだな」という声あり

★往診

 ○…高齢で独居または歩行困難で往診が不可欠の患者さんでも、経済状態によって往診を減らさざるをえない

★投薬

 ○…二週間の薬を四週間服用するような症例が多くなり、高血圧のコントロールがしにくい。市販の薬で様子をみて悪化してから来院する例も

 ○…薬剤数を減らす希望者が増えた。何のための服薬か、理解していない。自覚症状のない病気の治療薬を拒否。このままでは日本の医療は荒廃する

 ○…高血圧、高脂血症の薬を二日に一回に減らす。慢性肝炎の治療で定期的投与が必要な「強ミノ」という注射の回数を減らす例も

 ○…高脂血症、糖尿病、高血圧の順に去っていく。食事療法や健康食品で治療していきたいという希望だった

★検査

 ○…生活習慣病管理に必要な定期検査を拒否、延期を希望する高齢者が増え、薬も最低限でよいといわれ、診療および治療の質が低下して残念

★歯科

 ○…「高い」といわれるケースがいくつも。それが「義歯を新しくしてほしい」から「修理でいい」とならないか心配

 ○…多数歯にわたる補綴(ほてつ=入れ歯やブリッジ)をしている人が来院頻度を減らしてほしいという。こんなことではスムーズな治療ができません!

 ○…患者が早期に来院しなくなり、重症化したら抜歯が必要。厚生労働省のいう「8020」(八十歳で二十本の歯を残す)に到底ならない

 ○…二割負担で、TEK(義歯を入れる前の仮歯)のまま、こなくなった人がいた

 ○…中断の病名は、義歯の調整、歯周病、歯髄炎、欠損歯など

医科で治療中断があった病名(件数)
高血圧症69
高脂血症41
糖尿病26
腰痛症13
胃炎・胃潰瘍等13
肝炎等12
白内障・緑内障等11
慢性気管支炎等10


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